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ナリタノヒトビト ー平山建設 平山秀樹さんー

成田といえば、成田山新勝寺を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、見どころは新勝寺だけではありません。成田には、訪れる方々をおもてなししようと活動している人達も沢山いるので、ぜひ彼らのことも知っていただきたいのです。
ここでは、そんな彼らを「ナリタノヒトビト」としてご紹介します!

今回のゲストは、成田で平山建設を経営する平山秀樹さん。既存の企業活動には収まらない、成田への想いと活動についてお話を伺いました。

―まずは自己紹介お願いいたします―

 

成田で平山建設という建設業や不動産業を営んでおりまして、「成田にあって良かった」と言っていただける会社を目指しています。
これまで、成田山参道の長命泉さんや、市民球場のナスパスタジアムなどを建設させていただきました。
2021年で120周年を迎える会社ですが、成田の伝統ある会社、お店からすればまだまだ歴史の浅い会社です。
「成田のふるさとづくり」が私達の仕事だとという意識をもって取り組んでいます。

 

▼平山建設本社

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―「ふるさとづくり 街づくり 建物づくり」を掲げていらっしゃいますが、具体的にはどういったことですか?―

 

かつては、単純に建物を建てることが仕事だと思っていました。たしかに、普通の建設業はそれで終わりです。 しかし、1棟、1棟、成田の街中で建築させていただく中で、街が変わり、楽しくなり、成田をふるさととする方のお手伝いをすることが私達の仕事なのだと感じました。
特に、成田山表参道のセットバック事業に取り組ませていただき、自分たちの使命は成田の「ふるさとづくり、街づくり、建物づくり」だと初めて自覚しました。その使命のために建設業があると思っています。
ちなみに、セットバック事業とは各店舗、建物が建て直したり、リフォームする時に2mずつ後退して歩行者のための空間を確保するという事業です。表参道の建物の所有者さま、成田市役所、私達のような建設業者が「三方よし」の精神で協力しあって進んだ事業です。

 

―成田を訪れた人にこのまちをどう楽しんでもらいたいですか?―

 

まず、成田は古くから歴史があるまちで、歴史に因んだものがたくさんあります。
成田山参拝だけでお帰りになられる方もいらっしゃるかもしれませんが、歌舞伎俳優の市川家の足跡がたくさん残っています。
例えば、参道の途中にも、17世紀に建てられた現存する一番古い本堂であった薬師堂があります。また、江戸時代に7代目市川團十郎を匿ったという延命院跡地があったりします。これらをぜひ見て欲しいです。


▼成田山棟揚図・・・文政五年(1822年)12月19日に、棟揚式が行われた成田山額堂。7代目市川團十郎が成田山に寄進された。浮世絵はその時の様子を表す。(画・歌川豊国)IMG_0152.jpg

 

また一方で空港があるまちとして、外国人がたくさん歩いていたりするので、インターナショナルな雰囲気を感じることができるまちでもあります。
この両方があるのが、成田の魅力だと思っています。
 

―『会社が永続する「31の言葉」』を発刊されました。この中で「良い街には不思議と人材が育つ」という言葉がありましたが、成田のことはどう感じていますか?―

 

この本は、2021年で120周年を迎える平山建設が創業の精神に立ちかえる意味で、平山建設設立者である父、故平山金吾の31の言葉と、平山家と弊社の歴史を記したものです。成田の歴史にも触れています。
120年に渡る過去の物語ですが、この本を通じて未来に繋がるヒントを感じていただければと思っています。

成田には、祇園祭があるというのが大きな魅力です。
「祭に参加したい」「いずれは祭の若者頭(山車引きの責任者)、できれば祭りを仕切る当番町の若者頭をやりたい」という若者がたくさんいらっしゃいます。
ある賃貸マンションから戸建てに移られたお客様から、新しい家を建てるというときに、そのお子さんが「引っ越したらこのまちの若頭になれない」と大反対したというエピソードをお聞きしました。
そのお子さんにとっては、祭があることで成田が自分のふるさとになったのだと思います。

 

また、成田は「三方よし」(=売り手・買い手・世間の3つが満足するようにという商売の考え方。売り手と買い手のみならず、社会にも貢献もできることが良いとされる。)で栄えてきたまちです。
歴史を紐解いてみても、成田は門前町として昔からお寺と住民と公共機関が協力しています。
成田山のご本尊を江戸に運んで、御開帳を行ったことは有名なお話です。

 

 

▼平山建設が運営するホテル「ミートイン成田」のロビーにも浮世絵を飾る。
 

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―成田にシンパシーを感じるまちはありますか?―

 

手本にしたいのは、小布施(長野県)です。
人口1.1万人ですが、造り酒屋さん・お菓子屋さん・ワイナリーがあり、葛飾北斎の作品がたくさん所蔵されている北斎館もあるような文化のあるまちで、素晴らしいと思います。
成田と似た部分を感じるのは、小布施は天領(御料)地で、自治の風があったところです。
まちに住民自治の雰囲気が強いとも感じます。小布施は本当に魅力のあるまちです。

 

―未来に向けて10年後、20年後、どういう方向で行動していかれるご予定ですか?―

 

これから代譲りしても、平山建設としてまちづくりは大切にしていきたいと思っています。
成田が繁栄してくださるからこそ、成田の人が幸せになってくれるからこそ、成田があってこその会社として代々繋いでいきたいと考えています。

 

―最後に、読者にメッセージをお願いします―

 

成田出身ということをお話しすると、「成田空港は行ったことがあるけど、成田のまちは行ったことがない」という方がよくいらっしゃいます。
たしかに、成田は空港のイメージが強いですが、ぜひ一度成田のまちに足を運んでいただいて、成田の歴史や背景まで学んでいただけたらと思っています。
実は、成田は夜も楽しいので、宿泊していただき、歴史とともに成田のことを深く知っていただけると嬉しいです。

 

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平山建設株式会社 代表取締役社長
平山 秀樹

1966年生まれ。筑波大学卒業後、東急不動産に入社。93年米アメリカン大学ビジネススクールに留学し、MBA(経営管理学修士)を取得。95年平山建設に入社し、2005年から社長。平山建設は1901年に平山商店として創業。千葉県成田市に本社を構え、戸建・集合住宅、商業施設、野球場などの公共施設など、幅広い建設事業を手掛ける。グループ会社で、ホテルの運営事業も展開。平山建設グループの社員数は102人、売上高は約60億円( 2020年6月期)。2020年10月に『会社が永続する「31の言葉」』を発刊。

  2021/03/02